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中谷彰宏公式サイト - AKIHIRO NAKATANI -

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中谷彰宏からの今日のメッセージ

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人が建物を造り、建物が人を造る。
「長楽館」土手素子さん

2018年12月28日(金)

親愛なる君に

人が建物を造り、建物が人を造る。
貴族の子弟が貴族になれるのは、貴族の邸宅に育てられるからだ。

京都の「長楽館」に行ってきました。
コシノジュンコさんに紹介してもらって、
オーナーの土手素子さんから、直々に案内していただきました。
煙草王・村井吉兵衛が、京都の迎賓館として、
文化の粋を尽くして建てた傑作です。
設計は、宣教師出身のジェームズ・マクドナルド・ガーディナー
ガーディナーの聖ヨハネ教会堂を、明治村に訪れた時から、
見えない糸で導かれていました。

外観のルネサンス様式からは想像できない
芸術史美術館のような空間でした。
1階は、玄関ホール・迎賓の間・球戯の間・書斎・食堂・サンルーム。
2階は、喫煙の間・美術の間・貴婦人の間。
非公開の3階和室・茶室にも、入らせていただき、
窓から、夜の京都の景色を一緒に味わわせていただきました。

芸術品は、作る人と残す人がいて、初めて残ります。
進駐軍に接収され、ペンキを塗りたくられた建物を
土手富三が購入し、本来の形に復元した。
復元の労苦は、建てる時以上のものです。
100年の時を経て、やがては国宝になろうかという椅子に、
腰掛けながら、素子さんにお話を伺いました。
素子さんは、使って残す動態保存の哲学を貫かれています。
部屋の空気から、ここを訪れた
国内外のロイヤル・政治家・実業家・文化人の
息吹が感じられました。

彰宏より

P.S.
美は、人と芸術品によって、リレーされていきます。
リレーされた人は、駅伝のたすきのように、
次にリレーしていく行く使命を背負います。
美の空気を吸いながら、素子さんから直接お話が伺えたのが僥倖でした。
一緒に美の駅伝を走ります。

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