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中谷彰宏公式サイト - AKIHIRO NAKATANI -

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中谷彰宏からの今日のメッセージ

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そこに行くと、両親に出会える。
湯布院【2】)

2018年12月30日(日)

親愛なる君に

旅館に泊まる時は、毎回、同じ部屋に泊まるのがいい。
その部屋には、過去の自分がいる。
未来の自分もいる。
由布院 玉の湯」には、「いつもの部屋」が空いている日を選んで、行った。

そこは、両親を連れて行った。
そこには、笑顔の両親がいた。
「お風呂の蛇口の栓が、止まってなかったよ」
と、倹約家の母親が言った。
「ここは、源泉かけ流しなので、止めてはいけないんですよ」
と言うと、「もったいない。気い使うわあ」と笑っていた。

檜の内風呂と外風呂の両方に行くのが贅沢だ。
お風呂好きの父親と、外風呂に行った。
上がってすぐ浴衣を着ると、
「ポカポカや。おまえ、よう浴衣、着れるなあ」
と、父親が、脱衣場に裸で座っていた。
浴衣の帯を腰骨の下で、きりりと締められるのは、
染物屋の父親の帯の締め方を、子供の頃から見ていたおかげだ。

帰り際に、「これなら荷物にならないでしょう」と、
溝口薫平さんが、地元名産の竹のお箸をくださる。
「それから……」と、どんどんお土産をくれそうになる。
「先生の荷物になるでしょ。すいません、年寄りですから」
と、奥様が ほほ笑む。
「玉の湯」の竹のお箸は、ご出棺の中にも、入りました。
御仏前のご飯に添えられるお箸にも、なりました。

彰宏より

P.S.
親孝行をもっとしたかったけど、
湯布院に連れて行くのには間に合ったのが、幸いです。
湯布院に行くと、いつでも両親に出会えます。

P.S.2
東京に戻った日に、「玉の湯」の柚子練りが届いていました。

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