大阪校・美意識塾(31)
「隠された趣向に気づく7つの方法」
4月10日(土)
田村信之
驚けばいいという必殺技を伝授して頂く。どこの引き出しに入れたか分からないのではなく、引き出しが空っぽなのでもなく、棚そのものがしつらえられてない。棚を置く空間すら整ってない。驚くことは、その空間をあけてくれる。毛穴が開き、思念が吸収され、体験が形作られる。阿頼耶識に薫習するとは、そういうことなのかもしれない。
たましひの ころもにをかしき にほひあり
しまぴょん
【吉野林業の歴史】
うちの川向いは吉野貯木場。材木の保管・売買の場所である。昔は筏流しで日本三大人口美林の吉野杉を運んでいた。
紀の川(吉野川)河口に貯木場があり、和歌山で売買されていたが、利用料や筏輸送による傷や流失する危険などの問題があった。昭和初期の恐慌で打撃、水陸貯木場を設け流通改革、林業経営の立て直しを図る。昭和14年吉野貯木場完成。吉野・丹治両川の水を利用して水中貯木を行い、近畿日本鉄道線を場内に引き込む木材団地を建設した。今でも40軒近くの材木関係施設が集まる、まちが一つの製材所。継いでいる同級生もいる。そこまで線路があったのも桜のお蔭。引き込んだアイデア。構想7年、着工2年。これを聞いたとき、痺れる程感動した。
吉野杉は日本酒の樽に向き、伏見・伊丹・灘などで使われた。他の産地のものはお酒が赤く変色し、吉野杉だと変色せず香りもよい。密植で日が当たらないと葉をつけないから枝が少ない。枝が少ないので節が少なくなる。だから年輪が狭く漏れづらい。木材としても色が奇麗で目が詰まっている為、良い製品が作れるのだ。
製材所で、切ったばかりの丸太の切り口を触らせてもらった。香しく水分を含んで、女性の肌よりしっとりと濡れていた。
榊田未央
【言い訳は、その場のハーモニーを乱す】
世界の民謡を歌っているとき、自分の言い訳のせいで美江さんが歌い始めているのに気付かなかった。
自分がハーモニーを壊していることに、気づけないほど痛いことはない。言い訳・前置き・自分を守る生き方が、その場の空気を壊してしまうことを学びました。