食事前のお庭散策で、味覚が敏感になる。
(ナカタニズ・テーブル大阪in無鄰菴&瓢亭)
2020年10月29日(木)
親愛なる君に
10月のナカタニズ・テーブル大阪は、京都・南禅寺の瓢亭。
食事の前に、1時間かけて、
日本庭園の近代を開いた無鄰菴のお庭を散策しました。
諸国の前にお庭を歩く意味は、
五感を研ぎ澄ませることです。
瀬落ちの高さと距離によって、同じ水の音でも、ハーモニーが生まれます。
低音が遠くから聴こえ、高音が近くから聴こえるオーケストレーション。
その中に、小魚が跳ねる音。
鳥のさえずり。
芝生の乾いた匂いと苔の湿った匂い。
苔の種類の解説をして、
庭師の人が這いつくばってしている作業の意味を知ってもらった。
アオモミジの中に、日に染まりつつある紅葉。
その中に、小さな花が、差し色に隠れている。
風が、すべての香りを、素材を活かしながら、運んでくる。
その風に運ばれて、瓢亭の松花堂弁当をいただく。
敏感になった五感が、気づかなかった味に、気づかせてくれる。
お庭でかいだ香りが、料理と幸せな化学反応を起こす。
お庭は、腹ごなしの場所ではない。
お庭から、食事が始まっている。
この日は、いつもよりみんなが静かに食事を味わっていた。
耳が、研ぎ澄まされたせいだった。
彰宏より
P.S.
和食は、作法を磨いてくれる。
作法を磨くと、より感性が敏感になる。
11月のナカタニズ・テーブル大阪は、京都の料亭『浮橋』で、
さらに感性を磨こう。
◆【中谷塾】ワークショップ
(【ナカタニズ・テーブル】【体験塾】も、こちらから)