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中谷彰宏公式サイト - AKIHIRO NAKATANI -

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中谷彰宏からの今日のメッセージ

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好きになると、何回も偶然、出会うことになる。
三井記念美術館「国宝 雪松図と動物アート」展

2019年01月04日(金)

親愛なる君に

美術品は、自分の精神的成長の柱の傷になる。
再会すると、他人でなくなる。
美術館に、毎年、同じ時期に、収蔵国宝を展示してもらえるのは、
心の定期検診になるので、ありがたい。
年末年始は、三井記念美術館の国宝「雪松図屏風」(応挙)。
展示室4の長い奥行きなしには、
「雪松図」の写実の迫力を味わえない。
「雪松図」のために、設計されたに違いない。
国宝「志野茶碗 銘卯花墻」も同時に出演する
映画でいうと、国宝のダブル主演。
冬の「雪松図」と初夏の「卯花墻」の組み合わせも絶妙。
マクロの「雪松図」とミクロの「卯花墻」の対照の妙でもある。
「卯花墻」が置かれている茶室「如庵」も国宝。
犬山有楽苑「如庵」に実際に行った時には、
壁紙に書かれている文字までは、気づかなかった。
再会には、発見もある。

今回の企画テーマは、「動物アート」。
最近、京都国立博物館で見たばかりの
「十二類」の絵巻に再会するのも
「また、お会いしましたねと」と面白い。
超大物ゲストは芦雪「白象黒牛図屏風」。
小動物をまず見せて、
それから大動物の大きさを見せることができるのは、
開いて見せていく屏風でしか味わえない手法。
六曲一双の屏風を開いていく順番を、思い描く。
『スター・ウォーズ』を初めて見た時のマザーシップの大きさに
驚かされた予備校時代を思い出す。
優れた美術展は、記憶回路に電極を入れて、
フラッシュバックをさせてくれる。
再会するから好きになるのか、好きだから再会するのか。

彰宏より

P.S.
個人的に前から好きなのは「滝に亀図」。
晩年の応挙の覚悟が好きだ。
これも「またお会いしましたね」。
好きな絵とは、何度も会うご縁がある。

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