作品と作品の険しい道がが、作品だ。
(9月東京校体験塾in小田原測候所・後編)
2020年09月11日(金)
親愛なる君に
臨死体験をした人が、向こうから懐かしい人が呼んでいるという話がある。
小田原測候所は、まさにそんな私設美術館だ。
「よし、行くぞ」と、行ってしまった。
美に向かうとは、三途の川を渡るということなのだ。
戻り道が、予想通り大変だった。
大変だったのは、傾斜だけではない。
道が、曲がりくねっている。
戻り道のはずなのに、入り口から、また離れていく。
せっかく登った傾斜を、また降りていく。
「道は、間違ってないか」
という表情が、キャプテン真ちゃんに浮かんでいる。
地元サーファーの黒岩くんが、「大丈夫です」と言う。
その言葉を、信じる。
展望台に、出た。
水分、補給。
敵に見つからないように、自動販売機が、カモフラージュされていた。
一同に、安堵の表情が浮かぶ。
「体験塾は、体力塾ですね」と、真ちゃんが汗をぬぐった。
作品と作品の間に険しい道があるのではない。
険しい道こそが、杉本博司さんが、
一つ一つの作品と出会ってきた道のりなのだ。
たから、傾斜が急で、曲がりくねっているのだ。
展望台から、電信柱が見えた。
電線がない。
かつて使われていた電信柱も、
5000年後には、遺跡になる。
5000年後の人は、神への儀式に使われたと解釈するだろう。
たしかに、電気は神だった。
途中で見た緑のミカンも、作品だった。
そこをうろうろする僕たちも、
杉本博司美術館の中の作品の一部になった。
彰宏より
P.S.
三途の川をいよいよ渡った僕たちは、
杉本博司さんに誘われて、
来週9月13日、京都市京セラ美術館の杉本博司「瑠璃の浄土」に、
大阪校体験塾で連れて行かれる。
◆【中谷塾】ワークショップ
(【ナカタニズ・テーブル】【体験塾】も、こちらから)