ナカタニズ・テーブル京都(7)
「現代に茶室を作ると、こうなる。/HOTEL THE MITSUI KYOTO」
3月13日(日)
しまぴょん
【親御さんの目】
楠井総支配人が突然、目の前の先生の背後に、すっと立たれていたから驚いた。
入口は今日は人が多く、ものものしい感じになるし、他のお客様に配慮されて、お静かだった。こういう時の導線もあるから、ここがいいお席なんだと当たり前に実感。楠井様の新人の頃からのお付き合い。お二人の昔話、近況報告。先生が嬉しそうでなにより。懐かしい話から将来への問題提起まで短時間にきっちりと。
重ねてきた月日の物語に、こんな素敵な場所で立ち会えて光栄。先生のお母様も喜んでおられる気がした。
しまぴょん
【威風堂々】
梶井宮門の風格と美しさ。
はためく門幕は白地に紋無し、シンプルにアルファベットのホテル名だけ横一行。
超絶格好いい。
地震・火事・GHQ、消防法まで乗り越えてこのお姿。
時代を経ての新しさと覚悟に最初に出会う。
しまぴょん
【一番大事なこと】
未央さんが果敢にスペアリブに挑む。
食べにくいものセレクトも偉いし、
美味しさにうっとりした表情ほど和むものはない。
先日の常務のプライムリブ顔もそう。
美味しい顔は嘘がない。パートナーが癒される。
しまぴょん
【テーマをもつ習慣】
食べた後のお皿を美しくが本日のテーマ。プライムリブで酷かったからだ。
お庭で、昨年アブラムシにやられたしだれ梅を、庭師の方が助けて花が満開。沢山お花がついていた。
やろうと思ったら対処方法はあるんだな。
先生が自分のテーマを持たないと流れる。と仰っていた。確かに小さくてもテーマ持っておかないと単にお腹を満たしただけになる。
しだれ梅が1年で回復したように、花を咲かせる。
榊田未央
ホテル·ザ·三井京都さんは、モダンでラグジュアリーな設えでありながらも、静かで柔らかな空気が流れていた。ホテルの皆様が持つ、柔らかな物腰からくるものだと感じた。設えだけでなく、人の想いが、空間の空気を作り出すことを学びました。
榊田未央
体験は、体験しないとわからないことを、体感しました。風格のある門、ロビーの奥に広がる広大な中庭の心地よさ、窯で焼いたお料理、スタッフの皆様の柔らかさ。「知る」と「体験する」には、雲泥の差がある。心地よさの扉を、開いて頂きました。
しまぴょん
【対岸浄土】
庭に常務が佇んで居られて、どこかの国の紳士かと思った。どこから出たんだろうと思ったらおっきな窓が開放されていた。上下左右に突出部分が無く窓があると錯覚したのだ。前に来たときは結構な雨で、水面にしずしず落ちる雨粒が、それはまた姿が良かった。水面は静かに細やかな段差をさらさら流れ落ちる。池泉鑑賞式庭園に浸るのが中庭なのに外だなんて。お天気もよく一瞬でトリップ。
対岸のレストランからは陸ばかりが見え、全く違う景色。梅が咲き鳥がさえずるこちらは対岸の浄土。あちらが人が行き来して現世。それはそれで美しい。
ねじれ太鼓橋。着地をずらして遠近法。中くらいの橋でもなくするんだ。ここが結界のよう。
もみじ台から見たらまた全然違うんだろうな。紅葉の季節にまた来たい。
エントランスに大きく活けられた木蓮が、帰りにはもっと開いていて、いい時間を過ごしたと思った。
高橋
前日の晩に辺りを散策してみると、ホテルの有名な門は少し不気味だった。
(と書くと語弊がある。雰囲気があるので、夜に訪れることもお勧めしたい。)
二条城に面した堀川通に小さい入り口があり、隣に「福井藩邸跡」の看板を発見した。
翌日のアートツアーで幕末に三井家が福井藩に屋敷を貸していたと伺った。
福井藩といえば、龍馬を海舟に引き合わせ、大政奉還を慶喜に唱えた松平春嶽が有名だ。
大政奉還が奏上された二条城正面のお屋敷で、幕末の志士たちが大政奉還の密議を行っていたかもしれない。
そんなことを想像すると、つい気分が盛り上がってしまう。
高橋
テーブルの日は朝食を抜いているが、宿の「朝食フェア」の誘惑に勝てず、朝からガッツリ食べてしまった。
すばらしいホテルのテーブルなのに、この日のテーマは「小食」だ。ピザは大きそうだし、今日はお肉も止めておこう。
一方向かいの席では、未央さんが難しいお肉料理にチャレンジしている。すばらしすぎる!
最初の料理はサーモンのホワイトスープ。ちょっと予想と違った。
本当は、前日にスープは首や背中を曲げないでと習ったが難しい。ちょっと避けたい料理だった。
加えて味がどうかと質問攻めに遭う。味の表現も習ったばかり。でもバッハの味とかちょっと違う言葉しか出てこない。
食事の次はアートツアーだ。
立派なお庭や門を拝見する。なんというか全ての贅沢が詰め込まれたようなホテルだ。
茶室横の廊下に私も知っている有名な茶筒が飾られていた。開化堂の茶筒である。2〜3個部屋に並べてみたい。
さて、難しい場面で会話が途切れてしまうことがある。
今回は別室の掛け軸の前で起きた。ガイドさんの話しを受けるのが先生だけになってしまった。
何か言わねばならない。とりあえず、先生の話を九官鳥にならない程度に真似てみたら意外と良かった。例えば、先生が色が綺麗ですね。といえば、最近書かれた絵のようですね。と返す訳だ。困ったときはこれでいこう。
掛け軸は、季節にちなみ、ひな壇に桜を合わせた図。旧暦の桃の節句は4月なので桜の季節だった。作者は明治になって新暦に変わり、旧暦を懐かしむ絵に思えた。
追伸)
巻物の保管は先生がおっしゃったように、太い芯(太巻き)に丸め保管する方法があるそうです。