ナカタニズ・テーブル東京(31)
「一流のサービスを受けて、気配り力を身に着ける。/アンダーズ東京」
5月22日(日)
桂子
アートツアーの曼荼羅で、没我の境地を垣間見た気がしました。
竜吾
一人ではなかなか入れない一流の場を、今回も体験させてもらえました。
食事はもちろん、室内の鏡の使い方や、器の和洋折衷、演奏サービス、アートツアーなど、レベルの高い場だと感じました。
そして帰り際に清水さんが、駅がわかるところまで長い距離を案内してくれたのも、学びとなりました。
前日に教わった、テーブルは自分の感覚のレベルアップを図る修行をしている、という言葉がピッタリきました。
法子
迷路からの楽園。ホテルの51階には、都会にいながらにして宇宙と自然と和が感じられる空間があった。南仏プロバンス風の料理を、会席料理で味わった。温かみのある食器でいただくと美味しさが倍増する。生演奏のラテン音楽のリズムに乗る心地よさ。受け身ではなく、自ら気付き、楽しみ、会話する。その練習でもあり、本番でもある貴重な体験の場であることをテーブルで感じた。いろんなシチュエーションでの実践稽古。前回の反省を生かしつつ、次回の課題を見つけた。
高橋
ビルの1Fにあるホテルの入り口は、地味でとても高級ホテルのものとは思えない。古くて細長いビルの入り口のようだ。
ランドマークもあべのハルカスも最上階は一般向けの展望題だが、ここ虎ノ門ヒルズの最上階はホテルのレストランとバーになっている。東京一高いビルは、限られた人達が天空を楽しむ場所のようだ。
この日は天気が素晴らしく「大阪まで見えそう」と先生が真里那さんに冗談を言う。東京駅を見下ろす北東の方角なのだが余計な事は言わないことにしよう。
テーブルカービングが見たかったので料理はローストビーフを選んだ。以前赤坂の会で食べたものとは違うレアステーキのようでとても美味しい。また付け合わせのマッシュポテトがなめらかすぎる。裏ごしが大変だったと思う。竜吾さんと桂子さんは気を遣って違うメニューと頼んだ。大人である。
食後のアートツアーではフロントの組子細工「無限の宇宙」に驚く。待っている間は「ツリーチェアー」に眼を奪われて気に留めなかった。作ったのは秋田の名工小高重光氏だった。
しかも使っているのは神代欅・神代杉という。最初しんだいケヤキと言うので、じんだい杉なら知ってると思ったら、じんだいケヤキだった。
神代なんとかという木は火山などで1000年以上埋もれた木の事をいうそうで、秋田からは2500年前のものが出土している。飾られていたのはもしかしたら縄文時代の木かもしれない。凄いのは細かな細工だけでは無かったのだ。
ホテルもまた、素晴らしい人と設備を緻密に組み合わせることで上質なサービスが提供できる。組子細工はアンダーズ東京の経営理念を象徴する作品と感じた。