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大人の遠足塾(29)
「駅には、アートが集まっている。/東京駅周辺美術館巡り」

10月1日(土)

灯香

東京ステーションギャラリーに、思わず心奪われてしまう絵画が数点あって、驚きました。
今まで、小さな規模の美術館は、失礼ながらたいしたことがないと思っていました。
実際に見る前から、どうぜつまらない。なんて決めつけてはいけない。
経験してみると、どうなるかなんて、自分でも本当にわからないのだな。と改めて思いました。

灯香

ムンクの「接吻」を見た瞬間、驚きました。
キスしている2人を実際に見るよりも、この絵からのほうが、感情、雰囲気、想い、気配、そのような言葉にならないものが、伝わってくる気がしました。
不思議で仕方がないのです。例えば、私がこの絵をなぞって、同じように描けたとしても、こんな風に伝わる絵にはならないと思う。
そういうのは、先生がよく仰る、テクニックではどうしようもない部分なのだろうなと思いました。
逆にいえば、そういった目に見えない事柄を伝えられる、感じられる、人間の能力とは、とても繊細で高度なものなのだと気づきました。
ムンクといえば、「叫び」しか知りませんでした。
「叫び」がどうして有名なのかわかりませんでしたが、きっと生で見たなら、伝わってくるものが、尋常ではないのでしょう。
「良い絵」とは、綺麗だとかいうよりも、伝わってくる何かがあるものなのだな。と思いました。

灯香

「良い絵」とはキレイというより、伝わってくる何かがあるもの、と先程の感想に書いて、それは人間も同じだと気が付きました。
理路整然と整ってキレイな絵より、乱れていても、なにか心に伝わってきて、目が離せないほうが良い。
顔だちが美しいだけよりも、なにやらうまく言えないけれど、魅力的な人のほうが良い。
他人のことはそう思えるのに、自分のこととなると、外見ばかり気にしてしまいます。
でも、私も絵と同じなのだと思えば、顔だちの造形を気にする必要はあまりないのだし、若いよりはむしろ年齢を重ねたほうが、ステキな作品になれるのは当然だと思いました。

灯香

相田みつを美術館で、「憂い」という言葉を3度目にしました。
悲しみや痛みを訴えている作品はどこにも見当たらないですし、前向きで明るい、真理の言葉が多いように感じられる中の、憂いには心惹かれました。
「憂い」とはネガティブなものではなく、悲しみ・痛みを乗り越えて、明るさを手にした後に加わる深さで、魅力的な人間に欠かせないものなのかしらと感じました。

灯香

今日東京ステーションギャラリーで観た絵は、憂いを含んでいるものが多かったと思います。
一方、前回の遠足塾のマティスやシャガールの絵からは、力強い明るさや、気楽さを感じました。
明るい作品といっても、あれだけ有名で、魅力的な絵を描くのだから、ただ明るいだけではなく、いろいろ乗り越えたあとの、自分が手にした本当の明るさ、気楽さなんだろうなと思いました。
今まで、明るさを全面に感じる作品はあまり興味はありませんでしたが、最近は、明るくて何だか深い作品が良いと思うようになりました。

灯香

美術館に囲まれた、とても素適なお庭のテラス席でお食事をさせてくださったので、少々の霧雨を感じたときに、いっそ激しく降って濡れてしまったら楽しいだろうと感じたほどに、とても嬉しくて気分が良かったです。
機嫌が良いときは、いつもならマイナスになることすら、楽しめるモードになるのだということに気が付きました。
先生がいつも、ピンチを楽しむというお話をされるのも、先生がご機嫌だからなのだということがわかりました。
決して無理して楽しんでいるのではなく、自然とそうなるのですね。
ピンチを楽しむというと、すごくメンタル強いとか、性格とか思ってしまいますが、ご機嫌であれば良いだけでした。
私にも、できそうな気がしてきました。

灯香

ビルの上から、東京駅を見渡せるステキな場所を教えてもらえて、とても嬉しかったです。
私は、東京駅とは反対側の景色が好きです。
今度、夜に行ってみます。
知らないお洒落な場所、たくさんあるのですね、東京に住んでいるのに、知らないで終わるかもしれませんでした。
それはとてももったいない。
それにしても、ステキな場所でした。宝物になる予感です。

灯香

先生がポストカードを買ってくださったときに、つい可愛らしい絵を選んでしまいましたが、先生が私に勧めてくださった絵を選べば良かったかな。と後悔しております。
そのほうが、後からそのポストカードを見たときに、そのときの先生の言葉・声まで思い出せるからです。
たとえその絵が、美しいとは言えなくても。
思い出を伴わない美しさよりは、わけわからなくて乱れていても、記憶・感情を含むものを選ぼうと思いました。

灯香

今日ランチした場所で撮影したポストカードを、プレゼントしてくださったことが、嬉しかったし、何種類かある中から、自分の好きなものを瞬間で選ぶ作業は、とても楽しいです。
選んだものに、とても愛着がわきます。
好きだから選んだのか、選んだから好きなのか、よくわからないくらいです。
それにしても、写っているこの新聞、仏字、でなくとも英字新聞だと思いました。
とても意外な真実でした。

エミ

好きなジャンルのステーションギャラリーを一緒に巡れたことはもちろん楽しかったですが、それ以上に自分では決して行かない国際フォーラムや禅の世界に出会わせて下さったことが印象深いです。
イングリッシュガーデンでのランチは、まるで映画のワンシーンでした。
近々個人的にじっくり復習しにいきます。

エミ

ただの美術館巡りではありませんでした。先生が過ごされた会社員時代の場所を巡りタイムスリップできたことが貴重な体験です。期待をはるかに超えて大満足です。

エミ

新ジャンル開拓に写真展に行ったら、前回学んだ、包むクリストさんの講演会がやっていた。満員で入れなかったが、遠足塾でいろんなことの遭遇率が高くなっていることを実感した。

ひかる

遠足塾で、毎回知らないところに行って、体験し、
自分の地図がどんどん広がっていくのが、面白い。

先生が、「ヒカル君、それはだめだよ。ここは気を付けて。」
と教えてくれたことは大体本当に遭遇します。

また、
「デートコースでここはないよ、ヒカル君しか興味ないから。」

と言われてホントかなと思って、
女性陣に聞いてみたら、「ないね。」の一言。

ないということがわかった。

様々なゼロの発見がありました。

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