大人の遠足塾(55)
ライトアップ紅葉と夜の大名庭園を味わう。/六義園編」
12月1日(土)
エミ
真っ暗で肝試しに近い感覚でした。初めは興奮していましたが、授業で習った、禅を思い出し歩いていると感覚が研ぎ澄まされていきました。
「自分から感じにいかなあかん。」はとても印象に残った言葉です。
真治
【ライトアップの魅力は、明るさではなく暗さだ】
ライトアップとは、紅葉を強い明かりで照らすのだ、と思っていました。
実際は、紅葉が見えるか見えないかの絶妙な明るさでした。
夜の庭園では、明かりがないと躓きます。
観賞者の足もとの安全より、紅葉の風情を優先した主催者の心遣いに感服しました。
灯香
想像していた以上に暗い園内に、驚きました。
こんな暗闇を歩くのは、お化け屋敷以来の久しぶりです。
暗がりの中ライトにぼんやり浮かび上がる、帽子をかぶった紳士のシルエットを追いかけ、木々の間の小道を急ぐという経験はまるで異界にいるようで、思い出す度に夢を見ていたような気持ちになります。
灯香
暗がりの中の小道を抜けて、目の前に開けた池の水面は、びっくりするほどに澄みきって、木々や12月の空気をそのままに映していました。
先生は、これは月の光で映るのかな。と、光がどこからきているのかを考えていらした。
以前、他の場所での遠足のときも、日光の当たり具合などを見ていらしたので、先生はいつも光とそれが及ぼす結果を見ているのだな。と思いました。
灯香
先生は、歩きながら、感じたことをその都度言葉にされる。
それを聞いていると、先生は、どうやったらもっと面白くなるか。と主催者側の立場で常に考えていらっしゃるのがよくわかりました。
灯香
暗がりの中では、いつもよりも嗅覚が敏感になりました。
木々の香りや、お店で販売しているお団子の香りを、強烈に感じました。
いつも視覚に頼るばかりで、他の感覚をいかに怠けさせているかということに気が付きました。
普段から、視覚以外の感覚に、もっと意識を向けて生活しようと思いました。
灯香
皆で食事をしながら、過去の塾のことなど、今までを振り返りながらお喋りをして、そういえば私が初めて参加した頃と今とでは、だいぶ塾の内容も、周りにいる方も変化し、先生が仰るように、2度と同じ時はなく、1回1回その都度大切な瞬間なのだと改めて思いました。
灯香
1つ1つの瞬間を大切にするためには、どうしたらよいのか。
どうしたら、大切にしていることになるのかと考えました。
私にできることはといえば、何かをしようと焦ることではなく、逆に心落ち着けて味わうことだけだと思いました、
五感をフルに使い、味わい切ったとき、その瞬間を大切に扱ったことになると思う。
感じようとしたとき、つまりは先生が仰るように、自分から対象に歩み寄ったとき、感じること、ただそれだけで幸せになれるのだと気が付きました。
灯香
暖かな店内、テーブルの上にはたくさんのお皿が並び、クリスマスソングが流れ、先生がお話しして、皆が笑って聞いている。窓の外にはイルミネーションがきらめいて、そんな光景を味わいながら、この瞬間はなんて12月なのだろう。と思いました。
まさに、幸せな12月のイメージそのままの光景。1年で12月が1番好きで、クリスマスが大好きな私は、いつまでもこの瞬間を、胸に刻んでおきたいと思いました。