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中谷彰宏公式サイト - AKIHIRO NAKATANI -

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大阪校・美意識塾(5)
「好きなものに好かれる7つの方法」

1月12日(土)

朋子

これほどの作品を集めた図版は、なかなかありません。
ヤン・マセイスなんて、フランドルのルネサンス絵画に興味がないと、図版を目にする機会は少ないでしょう。
マニアすぎて、気持ちいい。
この図版ならば、絵画の約束事、様式の違いも、一目で分かります。
言葉よりも先に、網膜の経験として絵の見方を覚えてしまう方法は、ほかでは見たことがありません。
どのフォロフェルネスになりたいかという視点は初めてでした。
絵画作品としては、ヤン・マセイスが好きですが、なりたいユディトはジョルジョーネです。
このあと絶対に足で蹴ってるなと思いました。
スザンヌの水浴は、私には見慣れたモチーフですが、こうしてズラッと並ぶと、また違った視点で見ることができます。
ジェンテレスキがこの表現になるのは、共感できます。
師匠に迫られて、断ったら、狭い画家の世界では生き残れません。
芸術に対する純粋な気持ちが強いほど、葛藤が強くなり、そのうちに自分も師匠が好きだったのだと思い込もうとして、心を病んでいきます。
そうやって潰れた女性画家は、脚色されて男性画家の愛の物語に一部になってしまうか、記録に残りません。
筆を折らずに、作品を描き続けたジェンテレスキに喝采を贈りたい。

朋子

スザンヌの水浴のテーマは、人気がありますし、画家として描きやすいテーマだと思いますが、個人的には、
「いい年して、欲情しちゃって、みっともない」
と愚かさにため息が出ます。
スザンヌを覗き見する男性たちは、美しい女性を前に、自分たちが老人であることを忘れているのか。
まだ自分はイケていると、錯覚しているのかもしれません。
衣に手をかけている強引さは、その先の物語を知ると、老人たちの愚かさを強調する仕草に変わります。
絵のテーマは、誰の視点で描くのかで、表現が変わります。
男性画家と女性画家の絵を並べていただき、勉強になりました。

永山

中谷塾でなければ見ることが出来ない、聖書の中のスピンオフの作品集がとても凄かったです。1つのテーマで整理され、しかも大阪校では東京校とはまた違った作品を選び直して下さったとのことでした。初めて見る作品ばかりでしたが、実際に見る機会を作っていきます。水森亜土さんの作品も教えて頂き、また違った印象を受けて勉強になりました。

いまちゅう

ユディト、サロメ、バテシバ、スザンナ。
一つ一つの作品の説明は書籍でも知ることができます。
先生の授業は、一つの作品について、様々な作家の作品を時系列に見ていきます。
そうすることで絵画史の流れも同時に理解できました。
また作家と作家の子弟関係の解説もあり、画風の似ている点、異なる点がわかりました。
一つの作品を点で見るのではなく、いくつかの角度から、線で学ぶことがは中谷塾でしかできません。
一段も二段も深い理解を得ることができたと思います。

朋子

中谷先生の美術の授業は、時間がなくても、少々無理をしてでも、受けておくべき内容です。
多くの人が、美術の専門家が語る美術史に、本物の価値があると思い込んでいます。
私も、日本の三大日本画団体に所属する画家であり、大学でルネサンス芸術を専攻し、博物館学芸員の資格を持つ専門家のひとりです。
ですが本来の美術作品の受容は、専門家の視点を持たない、一般の人々にありました。
発注者の権力者に教養があっても、その作品を誇示したり、作品によって啓蒙する相手は、市井の人たちです。
美術の専門家の読み解く美術批評は、ほとんどが美術作品の価値を高めるための批評であり、美術史の中で完結しています。
ルールを知らない人には、面白くともなんともありません。
そのルールを知りながら、あらゆる視点で美術を語れる人は、中谷先生以外、まだ知りません。
私は専門家だからこそ、先生が何を省略し、何を加えてくださっているか、見えることがあります。
「見事だな」と感動します。
中谷先生は、基本の大事なエッセンスは残して、歴史の中で、本来受容されていた美術作品の姿を、今の私たちの前へクリアに浮かび上がらせてくれます。
先生の造詣の深さは、専門家以上だと感じることも多々あります。
深い学びの中から生まれる現代の美術史に、毎回心躍ります。

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