本の書き方塾(13)
「書くことで迷いを断ち切る7つの方法」
3月20日(火)
海野ふう
中谷さんから文章の中に見える「嘘」を言い当てられて、そうか、私は迷っているんだ、ということに初めて気づきました。
現実から目を背けて、嫌な自分や汚い自分を綺麗に塗り固めようとしていることが、文章を「痛々しく」させていると、中谷さんが教えてくださいました。
自分と真っ直ぐ向かい合わないと人の心を動かす文章を書くことはできないんだ、と強烈なショックを受けました。
以前中谷さんからいただいた「表現者なんだよ」という宝物の言葉をしっかり胸に刻み、諦めずに挑戦しようと勇気をもらいました。
海野ふう
私は中谷さんの本が好きで好きで、沢山の言葉に勇気をもらってきました。私が楽しみに通っているのは、書き方塾という名の「スナック彰宏」なんです。
本で読んだことのない話が聞けると嬉しいし、本に書いてあった話も生で聞くとまったく違う面白さで、なかなか文章が上手くならないのに、帰る頃にはなんだか上手くなった気持ちになってしまいます。
海野ふう
最近読んだ『40歳を過ぎたら「これ」を捨てよう』の中に、「サラリーマンには、サラリーマン的生き方をする人と、サラリーマン的生き方をしない人がいる」というのがありました。書き方塾に来ている皆さんは、見事に後者のカッコイイ方たちでした。普段会社では出逢えない、自分をしっかり持っていて、日本人離れした大人の方ばかりです。皆さんの実体験は初めて聞くことばかりで、初めは羨ましい気持ちから落ち込んだり、知らないことだらけで拒否反応をしたり、帰り道に頭が痛くなるくらい混乱しました。毎回こんな世界があったのか、と驚くことばかりです。回をこなすうちにとても刺激を受けて元気になれます。
朋子
ハッとする指摘。
上レベルの本物と、下レベルの偽物の見分けが付きにくいこと。
確かに、本物も、上にベルになればなるほど、何の苦労もなく、サッと作ったように見えます。
作り手も同じで、一流になるほど、作品に迷いがありません。
「そうだ 京都 行こう。」も、子供にも作れそう。
でも一流のコピーです。
そして読後感が、こんなに大事だとは。
日本と海外での、物語の受け取り方の違いは、これから注意します。
私の課題も、たくさんありました。
短い文章は下手なのがバレるのは、その通りです…。
詩に挑戦します。
「つかみ」「ひねり」「おち」。
こんなに短い文章で、出来てしまうのですね。
論文を書く人たちの世界にいますが、長い文章って、
誰のために、何のために、そこまで長いんだろう?と思ってしまいました。
これまで、疑問を抱いたことがありませんしたが、「あれ?」と気がつきました。
「書き方塾」は3回目です。
まだ初級者ですが、受けるごとに、自分の文章の悪い癖が自覚できます。
本当に、ありがたいです。
大人になると、誰も注意してくれなくなるので。
お客様が離れて、「なにか問題があるのだろうな」と気づきます。
飯岡 啓朗
「話し言葉をそのまま書いては絶対に読みにくい」
先日,東京オペラシティの谷川俊太郎展に行ってきた。
『自己紹介』という詩があって,「私は背の低い禿頭の老人です」と謙虚に始まる。
最後には「私の書く言葉には値段が付くことがあります」と締めくくられている。
感動したというより,ものすごい詩人としてのプロ根性を感じた。
私の書く文章には話し言葉が多くなってしまっていることを指摘していただいた。
中谷先生は「話し言葉をそのまま書いては文章は読みにくい」と言っていた。
「それはそれは重労働で…」のような話し言葉は中谷先生の本にも谷川俊太郎の詩集にも確かに出てこない。
こんな文章を今まで平気で書いていたので恥ずかしい気持ちになった。
私の文章は到底まだ値段のつくレベルになっていないことが分かった。
飯岡 啓朗
今日は私を含めて6人だった。
ほかの人の書いた文章を読むのも勉強になる。
私が気が付いたのは,人柄と文章が必ずしも一致しないことである。
大胆そうな人が,文章では謙虚だったり,硬そうな人が,ユニークだったりする。
車を運転すると性格が変わる人がいるがそれと同じ感じがした。
私の書く文章もよいところが出ればいいのだが,決まって自分の悪い部分が出る。
優柔不断で,言い切りの弱いところが出てしまっている。
文章を読んで「この人ダメだ」と思われるのだけは嫌だ。
飯岡 啓朗
中谷先生は「視覚より嗅覚の方が訴える力が強い」と言っていた。
人間の五感の中でも,嗅覚の説得力が大きいことは大発見だった。
言われてみれば確かにそうである。
小林多喜二の『蟹工船』は,重労働で苦しめられている船内の様子を臭いで描写している場面が多かった。
人間の記憶は,臭いでよみがえることがよくある。
だからこの作品は面白かったのである。
視覚で文章を書きがちだが,これには相当な文章能力が必要であると考える。
普段の生活で,もっと香りに敏感になりたい。