本の書き方塾(17)
「具体的な書き方ができる7つの方法」
7月24日(火)
飯岡 啓朗
「成功している人の文章にはやさしさがある」
以前として,感じの良くない文章になっている。
書いたときに,見直しもするが,その時には自分では気が付かなかった。
中谷先生にアドバイスされたところを,もう一度声に出して読むと,確かに感じが良くない。
もっと適切な言葉がたくさんあるのに,あえて感じの悪い言葉で書いてしまっているかのようでもある。
私の語彙力がないこともあるが,相手の立場を考えず,人の苦しさに寄り添えていないことが原因であると考える。
だから,最終的には,私自身の人間力の問題であると思う。
中谷先生は,「成功している人の文章にはやさしさがある。成功していない人の文章はどこか冷たい」と言っていた。
今の私の文章は,冷徹で運気を感じない。建設的でない構造になっている。
金八先生(武田鉄矢)がドラマで,「エライ人にならなくてもいいんです。感じのいい人になってください」と言っていたのを思い出した。
読んだときに,この人は感じのよさそうな人だなと思われるような文章を書きたい。
飯岡 啓朗
自分の文章が,論理的に崩壊していることが分かった。
私は数学を職業としているので,恥ずかしいことだと思う。
中谷先生は,「文章が論理的に崩壊していることに気づくこと。感性は1ミリもいらない」と言っていた。
一般的に,数学の論理と現代文の論理は同じだといわれている。
数学者の岡潔も,随筆で素晴らしい文章を書いている。
数学を極めると,文章もここまで神々しくなるかというほどだった。
私が,文章に対しての謙虚さが足りないことに気が付いた。
大学時代に,恩師に「首を振らない証明を書け」と日々言われた。
首を横に振らないのではなく,縦に振らない証明である。
読む人が前の行に目線が戻らない,論理の流れがスムーズな証明のことである。
中谷先生の本は極めて論理的である。首を振らない数学の証明のようである。矛盾がない。
大学4年生の時,『大学時代にしなければならない50のこと』という本を学生生協で見つけた。
「これは読みやすい。首を振らない証明だ」と思わずレジに持って行ったのが,最初に買った中谷本である。
よく思い返したら,中谷先生を好きになったきっかけは,中谷本の文章が数学的だからであった。