旅とは、その土地の人と再会をすることだ。
(湯布院【1】)
2018年12月29日(土)
親愛なる君に
旅をするということは、その土地の人と出会うということだ。
その土地の人と出会うことで、思い出が生まれる。
旅の楽しみは、そこに2度目に訪れた時から始まる。
そこで出会った人と、再会できるからだ。
旅の目的は、景色でも、食べ物でもなく、
あの人に会いに行くことだ。
湯布院に行ってきた。
「ゆふいんの森号」の客室乗務員さんの、
楽しみながら仕事をしている姿に、こちらまで楽しくなる。
由布院駅に、わざわざ「由布院 玉の湯」のオーナー・
溝口薫平さんが迎えに来てくださる。
湯布院に来たのではなく、溝口さんの三日月になる笑顔の目に会いに来た。
握手をした手のひらが、温かく、柔らかい。
手のひらの温かさと柔らかさから、再会の喜びが伝わる。
玄関では、溝口さんの奥様が迎えてくださる。
奥様は、僕の早稲田の演劇科の先輩。
その土地に行ったら、その土地で一番高級な旅館に泊まることだ。
そこには、必ず一流の人がいる。
湯布院の三大高級旅館は、
「由布院 玉の湯」「山荘無量塔」「亀の井別荘」。
翌日、「山荘無量塔」を、訪れる。
早逝した初代オーナー・藤林晃司さんとは、
湯布院でも、東京でも、何度もお会いし、熱い思いを伺った。
もっともっと、話しておけばよかった。
アポ無しで伺ったにもかかわらず、タクシーを降りると、
「お久しぶりです」と塩谷副支配人が迎えてくれる。
タンズバーで、自慢のPロールケーキを頂きながら、
藤林さんとテレパシーで会話する。
昼食は、「亀の井別荘」。
掃き清められたお庭に入ると、支配人さんが庄屋に案内してくださる。
来客中の中谷健太郎さんの靴に挨拶をして、
健太郎さんから社長を受け継いだご子息・太郎さんご夫妻と、お話をする。
前にお会いした時より、お父さんに似てきたのが面白い。
そう言えば、玉の湯のお嬢さん・和泉さんも、薫平さんと同じ三日月目の笑顔。
相変わらず元気な人、志を受け継いだ人、お父さんに似てきた人。
再会には、過去と現在と未来がある。
彰宏より
P.S.
帰りがけに、「玉の湯」の先輩奥様が笑顔で、
「お気軽にいらしてください」。
また、すぐ来ることになる予感を感じました。