美術館に行くと、見えないものが見えてくる。
(プライベート・美術館案内in広島市現代美術館・後編)
2020年12月21日(月)
親愛なる君に
大井さん家族と大津さん家族合同の
プライベート・美術館案内は、
広島市現代美術館に入る前から、始まりました。
大津さんのお母さんの泰代さんが、「この木は素晴らしい」と発見しました。
さっそく、その木の素晴らしさを解説。
「なんで、伐採した木を放置してあるんですか」
と、大津さんも気づき、それを解説。
すると、大井さんがヘンリー・ムーアの<アーチ>を見て、
「これを、この丘の上に上げるのは、重くて大変」
と、経営者ならではの気づき。
「このアーチの先は、原爆ドームじゃないかな」
と僕が言うと、「あっ」と一同驚きました。
建物が建って見えなくなっても、わかるような仕掛けです。
肉眼では見えないことで、より心に沁みます。
いつものように、入るまでに、こんなに楽しんでしまいました。
中の作品は、大井さんが「ふざけてんのか」とむっとした作品に、
僕なりの解説を加えると、「えっ?」と子どものように大井さんは、
笑います。
ゼロ歳児の一華ちゃんは、お父さんが弾けたように笑っているのを見て、
笑っていました。
それを見て、奥さんの梨栄ちゃんも笑っていました。
想像以上に、面白い作品だらけでした。
一つだけ、紹介すると、巨大なB-1展示室。
「ここに、何も置かないなんて、もったいない」
と、経営者の大井さんが家賃を心配しています。
これまで、30年間、作品を展示してきた照明器具が、
この日の主役でした。
<ゲンビのシャンデリア>と学芸員さんたちが呼ぶ蛍光灯も、
黒川紀章さんの作品です。
脇役にスポットライトを当てる優しさを感じました。
大津さんは、自分の経営するスーパー銭湯のアイデアを、
次々と思いついていました。
真っ白なカンバスを見て、「地図だ」と叫びました。
泰代さんも、「ほんとだ」と共感しました。
親子にしか見えない何かが、そこにありました。
大井さんが「大津さんのお母さんは、おしゃれ」と感心していました。
2023年3月に、広島ゲンビがリニューアル再開します。
その時、またこのメンバーで一緒に来ている未来が見えました。
彰宏より
P.S.
初参加の泰代さんと、一華ちゃんが、
いちばん喜んでくれたのが、嬉しかった。
プライベート美術館案内、やってよかった。